2012年5月5日土曜日

福島有機農業の現状 5/4

5月4日の堰さらいの打ち上げは早稲谷公民館です。夕ご飯のお手伝いをしていると、講演会が始まると号令がかかります。(筆記用具を準備していなく 以下はうろ覚えです。文責は樋口陽子にあります)

*まず 浅見さんより挨拶があり、二本松市の福島県有機農業ネットワークの菅野正寿さんから、2012年の作付けに対する由々しき 現状の報告がありました。

 二本松では放射能の影響は甚大です。500ベクレルを超えた米の生育状況を分析し、どうして500ベクレルを超えたのか、どうしたら、セシウムを稲に吸着させず、お米を収穫するかをよくよく調べ、2012年を考えます。
 また、500ベクレルを超えたお米は2%に関わらず、福島県のお米は倉庫に山積みになっています。そして、2012年の作付けを前にして(本当に直前になって)政府と農協が出して来た政策に対して、菅野さんは憤り、現場の農家の方々は本当に困っています。

 対象地域(2011年の数値に関わらず ひとくくり)はすべての農家で、作付けする為の条件があり、空間線量、土壌中放射性濃度の測定、作業前の土壌成分調査(10aごとに1点)、続いて ゼオライトの散布(10aあたり200~300kg →田んぼは石ころだらけ????ゼオライトは石です。)、更にケイ酸加里、ケイカリンの散布、反転耕、作業後の測定、放射能物質吸着剤の散布(水口)、そして、収穫時に全袋調査を行い、新基準値を超えた場合 消却処分を了承すると捺印させさせるのです。

 以上の作業は、すべて農家に降り掛かっており、兼業農家は土日しか作業が出来ないので、作付けまでに間に合いません。また、ゼオライト300kgの散布は科学的に実証されてないそうです。菅野さんが見せてくれた証書はA3かB5で、5、6枚あり、手続きの煩雑さを伺わせます。

 有機農業ネットワークでは、講習会などを開き 説明や対処に努めていますが、講習会直後に苗をキャンセルする農家 続出だそうです。1年作付けをしないとその次の年の作付けは困難を極めます。

 しかし、農家が作付けへの意欲をそがれ、耕作放棄地が増える事は確実で、除染をしない耕作放棄地が増え、他の田んぼに及ぼす悪影響も心配されているそうです。

 菅野さんは「この条件に米作りの観念はなく、環境省の補助金を使う為の措置、農家の被爆を防ぐ為の除染である。どこかで(米作りの)農水省から、(生活環境を除染する)環境省へ話がすり替わっている。と話し、2011年産米で、基準値を超えた農家だけでなく、地域単位で画一的な対策を強いる行政の対応にも苦悩しています。

 私も色々な所に 色々な方の話を聞きに行っていますが、農作物に関しては 対処をしない、できない農家で 基準値を超える農作物が出来てしまった話を聞きます。

*本の紹介「放射能に克つ農の営み」

*長谷川先生 耕作する権利を奪っている行政はいかがな物か、

*美味しんぼ 原作者 雁屋哲さん 福島の真実を知りたい。今は煙たがられても いずれ役に立つはずだから 協力してほしい。

*梶野さん、エドワードさん 福島有機農家のドキュメンタリーを2年かけて 制作。5分のダイジェストを放映。
Uncanny Terrain「震災から1年」脚本/監督/プロデュース:梶野純子&エドワード・コジアスキー
http://www.youtube.com/watch?v=F5WGdRxMhAY
友人の秋山さんよりの情報です。

 その後は乾杯、宴会でした。地元の人達が持ち寄った ぜんまい、山菜の天婦羅、のらぼうナムル、山ウドと椎茸の炒め煮、などなど、 美味しかったです。
<山ウドと椎茸の炒め煮>

<アコーディオンを弾く小川さん>

 本木公民館に戻って 2次会。

 明けて5日は朝ご飯、掃除で解散。私達は喜多方 大和川酒造に寄り、会津若松でめっぱめしを食べ、白河を経由して、帰京。渋滞にもはまり 22時過ぎに東京駅から帰宅しました。
 首都高から、東京の夜景を見て 節電しようと新たに思いました。