2012年2月6日月曜日

除染の話を聞きに行きました。

2012年1月21日(土)

 福島で、稲作に従事し、2011年に除染を行い、多量のデータを取った方のお話を聞きに行きました。

1、戎谷さん(大地)~放射能に対応して~

*数種類の放射能測定器を購入。自社で使う他、福島 須賀川の「稲田稲作研究所」に貸し出し。
*釜石市の塩釜に貸し出し、水産物の測定も開始。
(小松さんという漁師さんが定置網の測定値を提供する。釜石市のHPに公表される。)
*共同テーブル(大地を守る会、カタログハウス、パルシステム)の提案
政府に対して、安全値などの提言、質問を行って行く。

@3月30日 今中てつじさんを招き、チェルノブイリの事例を入れながら、栄養の勉強会を行う。

2、吉田和生さん(大地)~被災地の現地報告~

*牡蛎 今は漁協に出荷している。(大地に出荷できるのもがない)
*豚  死産や発育不良が多く見られる。(震災当時、水が断たれ、充分な水をあげられなかった)
*被災者(舟形マッシュルーム)が他の被災者(陸前高田の佐藤さん)に義援金を回す事で、船をプレゼント。
*山形短角牛 デントコーン、稲わらは不検出。えさにゼオライトを混ぜている。

3、伊藤さん(福島県須賀川市 Jラップ代表)

 341枚の田んぼのデータ(玄米だけでなく、稲わら、土、水、考えられるすべての物)を取り、衛星写真に落とし込み、数値が高い所を実験場にして ゼオライトなどを蒔き、更にデータを取り続けた。
 結果として、山の近く、耕作放棄地(雑草が生えているとセシウムが集まってしまう)の近くの畑は数値が高い事がわかった。
 2011年のお米も測定した上で 出荷している。

 稲わらを燃やすのはだめで、吸着剤として、カリウム剤として、土にすき込む。
 機械が入らない四隅にもきっちり巻く事。(ものすごい数値が出て 慌てて飛んで行ったら、畑の6点でデータ様の稲を摂れと言ってあるのに、四隅で摂っていた事もあった)
 お嫁さんの目を盗んで、孫に作物を与えた人もいて、家族全部を集めて 専門家に来てもらい 放射能の勉強会をやった。

 セシウムは細かい土にほど、吸着するので、これから 春一番や中国の黄砂などにも注意が必要。震災直後、6/1000ミリのセシウムはマスクを通り抜けていたが、今は土に吸着しているので、マスクは有効。

 土の表層10cmまでに、90%のセシウムがある状態。
 反転耕 30cmくらい掘り返して、表層を下に回して行く。セシウム、ストロンチウムは 重力に寄って 沈んで行く傾向があるが、30年ごとに半減するので、90年後にほぼ無くなる。地下水への影響はないと思われる。
 
 清流の方がセシウムが溶け込んでいる事がある。(松の芽が変形するのでわかる。)

 チェルノブイリと違うのは、土が元々火山灰でゼオライトを多く含んでいる。(奥羽山脈はゼオライトをたくさん産出している)
 静岡などでは土質が違うので、このような結果は出ないのではないか、、、、、

 ゼオライト=マイナスイオン(セシウムはプラスイオン)食品添加物として 認定されている。

 健康被害の70%は内部被爆。(食物94%、水5%、経口1%)
 玄米が5ベクレルの場合、精米して白米にすると30%の1.5ベクレル。同量の水を加えて炊飯するので、0.75ベクレルになる計算になる。

4、パネルディスカッション、質疑応答(3人で)
 錠剤として、ゼオライト、ペクチン、粘土を含んだ物を作り、食べて出す。

 ゼオライトを庭に蒔く→周囲から集めてしまうので、捨てるという行為が必要。

 コスト高はどうしているのか? →え)寄付金と職員のがんばりでなんとかしている。

 い)ニュースで報じられた様に500ベクレルの米が出たが、農協で気がつかなかったら、その農家は1年間 自家消費という形で米を食べていた。組合、農協は組合員の命も預かっているのに あまりにもずさんだ。後だしじゃんけんの1年だった。

*消費者に望む事
い )正しく怖がって、正しく学んでほしい。
え)耕作放棄地は埼玉県を超え、滋賀県に迫る勢い。国土を守ろう。
よ)大人には 声を上げて原発を止めなかった責任がある事を考えてほしい。

*豊かな土地を作るのが、対策となる。
 身体も一緒で、バランスの良い食事をして 健全な身体を作る事が重要。(カルシウム不足はストロンチウム吸収を招く)

*稲というの植物は 非常に優れていて、稲わら(セルロース)、もみがら、糠、胚芽 すべてが吸着剤として作用する。
 玄米を食べて、他の物から摂ってしまったセシウムを吸収させて、出して行く。


 伊藤さんの様な指導者がいない農家の方々は本当に大変な事だと思う。伊藤さんも全員から賛同を受けた訳ではないだろうし、、(今年の結果を見て 賛同する人は増えると思うけど、、、)
 農協の後出しじゃんけんとか、農林水産省のお役人がすばらしいですね。と言ったが お金は出さないとか、、毒も混じっていたけど、非常に勉強になった。

 最後にお話をノートした物から 以上の日記を書いています。間違っている記載など すべての責任は樋口陽子にあります。

 以下の戎谷さんのブログにも当日の様子が書かれています。
http://www.daichi.or.jp/blog/ebichan/2012/01/22/