まだ、独立する前、朝日新聞で、辰巳先生が毎週お料理の連載をしている時期がありました。
毎週楽しみにして作れる物は作ったりしていました。(その後出版された本はよく使っているので、ぼろぼろです)
ある時 とても美しい林檎のジャムの写真が紙面を飾っていました。
元々林檎が好きで、その美しい色に引かれて作り始めたのが、ソレイユの「紅玉のジュレ、あかねのジュレ」です。
ジャムの中に、ジャム、ゼリー、マーマレードというカテゴリーがあり、ゼリーは実の入ってないジャムです。
これをフランス語で言うと、コンフィチュール、ジュレ、マーマレードとなります。
作り方もフランスで習った事、自分なりに工夫した事を盛り込み、また毎年思いついた事も試してみて現在に至ります。
今年も北海道余市の山田さんから林檎が来ました。極小で、ケースがないので、丁寧な梱包です。お人柄がにじみ出ます。
最初はレモン絞りからです。佐賀 グリーンレモン
次に洗った林檎を林檎剥き機にかけ、天地を除いた芯と皮、実を水と火にかけます。
沸騰してからほたほたと炊きます。皮からは色が抜け、実が薄桃色になります。
このときの香りは本当に幸せです。
これを1晩袋に入れて吊るし上げ、ジュを取ります。
冷たい時に糖度をボーメ計で量り、その糖度に寄って砂糖の量を決めます。
(年に寄って違うし、作っている途中に砂糖を減らす事もあります。)
糖度を測ります。濁った感じ。
ジュを火にかけ、沸騰したら、砂糖を加え、
レファクトメーター(屈折糖度計)で糖度を測りながら煮詰めます。
煮詰め中。砂糖(きび糖) を入れると、透明になります。
仕上げにレモン汁を加えます。
ボダムのジャグを使って、瓶詰め。切れが良いのと、作業していて 綺麗で楽しいから。
瓶詰めして、1晩 瓶を逆さにして置きます。固まっているのを確認して、保存。出荷です。
これを描く為に、先生の文を読み返してみると私はジュ(jus)と言っていますが、
先生はしたみ汁とおっしゃっています。
作っている時に何とも幸せになるジュレです。